「食育」という言葉を耳にすることがあると思います。食育には広い意味がありますが、近年唱えられている「食育」とは、おもに食品や調理方法、また食事のとり方、食文化など、「食」にまつわるさまざまなことを学んでいくことです。
最近では共働きの家庭が増えたり、核家族化が進んだりすることで、食事を一人でとる子どもが増えています。それに伴って加工食品を食べる機会が増え、食べる物に偏りが出るなど、食生活に大きな変化が生まれています。
バランスのよい食事を楽しくとることは、心や身体の成長、そしてお口の健康にとってとても大切です。当院では食育を通し、お子様の歯の健康を守っていきたいと考えています。お子様の食事について、今一度じっくり考えてみませんか?
食事は、お子様の五感を刺激する、成長に重要な行為です。「味覚」「触覚」「聴覚」「視覚」「嗅覚」に作用し、お子様の感性を育み、心身の健康維持を担います。
食べ物が偏っていたり、決まった時間にきちんととらなかったりすると、身体に必要な栄養が不足し、病気や肥満を招くなど体調に異変を来してしまいます。また、やわらかい物ばかり食べていると、咬むことが減って顎や身体の成長に支障が出たり、咬み合わせが乱れたりしてしまいます。子どもが自分自身で食事の管理をするのは難しいこと。親御さんが気をつけてあげることが、とても重要になるのです。
「よく咬んで食べなさい」とは、昔からよくいわれていることです。咬むことは以下のようなさまざまなメリットを生み出します。
予防効果
肥満 | 咬む刺激が満腹中枢に伝わり、食べ過ぎを防止します。 |
---|---|
虫歯・歯周病 | 咬むことでだ液の分泌がよくなり、虫歯・歯周病を予防します。 |
がん | だ液によって発がん性物質が中和されます。 |
発達の促進
味覚 | さまざまな食べ物をよく咬んで食べることで味覚が刺激され、発達します。 |
---|---|
脳 | 咬む刺激が脳に伝わり、活性化します。 |
発音 | お口まわりの筋肉が発達し、正しく発音できるようになります。 |
顎・骨格 | 顎や骨格の成長が促進されます。 |
その他
胃腸の調整 | しっかり咬み砕いて吸収することで、消化を助けます。 |
---|---|
力の発揮 | しっかり咬みしめることができると、スポーツなどさまざまな場面で力が発揮されます。 |
お子様が大好きなおやつですが、選び方によっては虫歯ができやすくなるなど、お口の健康に支障を来してしまいます。おやつはできるだけ親御さんが管理し、歯にいい物を選んであげましょう。
- おやつは、時間を決めて与えましょう。
- 夕食に差しさわりが出ない程度の量にしましょう。
- 歯にくっつきやすい、またお口に甘味が残りやすいおやつは控えましょう。キシリトール入りのガムなどがおすすめです。
- 咬みごたえのある物を選びましょう。
- おやつの後には、できるだけ歯みがきをしましょう。
当院では食育を重視しており、日頃の食事の傾向やおやつの選び方、また食べるタイミングなどについて、改善すべき点がある場合にはきちんと指導を行います。お子様の歯のために、心配な点がある場合には一度お気軽にご相談ください。