かつて歯科治療とは、虫歯になったら治療をする、というのがほとんどでした。しかし虫歯とは再発しやすい病気であり、それでは治療をいたずらにくり返してしまうことになってしまいます。そうして治療を重ねた歯はダメージが蓄積し、最終的に失ってしまうことになりかねません。
そこで今日、歯科の役割は「治療」から「予防」に移行しつつあります。あらかじめ虫歯をつくらないことこそ、歯の健康のためにもっともよいことだからです。お子様の虫歯を予防するには、親御さんのご協力が欠かせません。こちらでは、お子様の歯の健康を維持するために、親御さんにお願いしたいことをご紹介します。
実は、生まれたばかりの赤ちゃんのお口には虫歯菌は存在しません。親御さんからのキスや、おはしやコップといった食器の共有などによって、気づかないうちに虫歯菌がうつってしまうのです。これを、当院では「親子感染」と呼んでいます。
親御さんのお口が虫歯菌でいっぱいであれば親子感染が起きやすくなってしまうため、親御さん自身のお口のケアが重要になります。お子様のためにも、ご自身のお口のケアにも十分に注意するようにしましょう。
妊娠すると、つわりによって歯みがきがしにくくなったりホルモンバランスに乱れが生じたりすることで、虫歯や歯周病になりやすくなります。赤ちゃんが生まれてからの親子感染を防ぐためにも、お口のケアはとても重要です。
また特に気をつけたいのが「妊娠性歯周炎」。妊娠期に起きる歯周病のことで、早産や低体重児出産を招いてしまうことが問題視されています。お腹の赤ちゃんのために、「妊娠性歯周炎」には十分に注意し、きちんと予防や治療を行っていきましょう。